開催レポート:冒険遊び場の場づくり支援「新年対話の広場」

こんにちは、チーム・カノバの岡崎です。

新年明けて間もない1月5日、福山市千田町で行われた冒険遊び場での対話の場づくり支援を行いました。

 

子どもが自主的に学べる遊び場

冒険遊び場とは、自分の責任で自由に遊ぶことのできる遊び場のことです。

子ども自身がものを作ったり、自然の中を駆け巡ったり、時には料理をしたりなど、近代的な家や集合住宅やちょっとした庭などの閉ざされた場所ではできなかったことなどを行なっています。

想像力と創造性にあふれた本能を大人が見守る中で表現できる刺激的な遊び場です

 

 

実はこの場づくり支援、去年もお手伝いさせてもらっていました。今回の対話の広場では、備後地域の冒険遊び場などの子供の居場所的な場をつくる活動をしている方たちが集まり、対話を行いました。

目的としては、それぞれの団体同士が『互いに親睦を深める』ということ。

そして、『各自が持つ知識や経験を共有することで、自分たちの場をよりよいものにできるきっかけにしたい』

この2つをゴールにして、対話を繰り広げていきます。

 

 

この日は、8つの団体から代表やその仲間たちが「冒険遊び場てんぐりかっぱ」に集まりました。総勢、なんと子供もあわせて約40名ほど。

 

「対話の場」と言っても、子どもたちは普段通り思い思いに遊びまわります。

土いじりをする子もいれば、木工工作をしたり、ターザンロープで遊んだり、山の方に上がっていく子もいたり、子供たちそれぞれ自由に遊びまわっています。

 

 

加えて、冒険遊び場での対話はスケジュール通りにはいきません(笑)。

まずは昼ごはんの準備をはじめて、できてから昼を食べて…。一区切りついたのが13時少し前くらいです。

予定では11時半くらいから対話しようというイメージでしたが…。ここではなんだか時間の流れがゆるやかに感じます。そして誰も文句もいいません(笑)それが許されている場所なのです。

そんな時間を経過しつつ、ゆるやかに対話がはじまります。

 

屋外の対話の広がり

今回は、あらかじめ空いている時間に「今日話したいお題、問いは?」ということを付箋に書いて模造紙に貼ってもらいました。

そこに貼られた「問い」を中心に、対話を広げていきます。

 

 

「遊びとは何か?」といった少し哲学的な問いから、「子供にどこまで教えるか?」といった実践的な問いも登場。

または「小屋の作り方」「広報の仕方」など、わりと実践的な問いもあります。

 

一つずつ読み上げていきますが、すぐに解決しそうな問いは、その場で知っている人が答えを出して解決するものもありました。

途中で子供が輪の中に入ってきて焚き火にあたったり、火で遊んだりしていましたが、ここでは誰も何も文句をいいません。

あたたかい目で見守りつつ、対話は進んでいきます。それが冒険遊び場の場なんです。

 

 

対話を経ていった末、最終的に『この福山を中心に子供たちの遊び場や居場所をつくっていく人たちのネットワークをつくろう』という話になり、最後はみんなでスマホを取り出してLINEグループ作っていました。

 

有機的な集まりと対話から生まれるもの

各団体同士が連携すれば、悩みを相談できたりするのでは?という思いはそれぞれが持っていたものの、あらためて集まって対話する という機会は、これまでなかったようです。

団体同士の連携というものは、意外と自然には生まれないのかもしれません。

 

それでも、こうして集まって思いを共有し合い、悩みを打ち明けながら対話を行うことで、新しい関係性が生まれたり、悩んでいた問題が解決したり、新たな連携のためのネットワークができたりする

そんなことを目のあたりにした新年の対話の場となりました。

 

 

それぞれの活動の根底に深い想いがあっても、現実的に個々ではできないことや、壁にあたって活動が停止してしまうということもあるでしょう。

これからは、それぞれの団体がしっかり連携して、新たな何かをカタチづくるという流れはどんどん加速していく予感がします。

そしてその際に大事な鍵になるのが、やはりよい対話なのだと思います。

 

(チーム・カノバ 岡崎裕史)